人は様々なアイデンティティを持っています。

私たちは「社会人」という肩書を持ちながら、一方で「私は社会人だ」というアイデンティティも持っています。
その為、働くことが当たり前と思ったり、社会人として相応しい行動をしようとし、そんな行動をしていない人を批判します。

他には、「●●さんの夫」「〇〇さんの妻」「△△の部長」など色々なアイデンティティを持っています。私も「キャリアコンサルタント1級」であり、「HRハーモニーの社長」というアイデンティティを最近、獲得しました。

このアイデンティティとは、思いのほか影響が大きく、会社を退職した瞬間に、縁が切れてしまったという人もいます。

相手の方も「△△に努めている部長」という目で見るので、退職したあとの「〇〇さん」という部分と仲良くし続けたいかどうかは、アイデンティティを取り除いた部分で「どれだけ優しくしてもらったか」「親切にしてもらえたか」などによります。

多くの人は、自分自身をアイデンティティを被せた上で見ており、また、自分も知らず知らずのうちに社会的なアイデンティティ=自分自身と思って、環境が変わった際に、同じ待遇を受けることができずに戸惑う訳です。

転職ではよくあることで、前の会社では事務に「これやっておいて」と言ったらすぐに動いてくれたのも、
「経験の豊富な、実績ある営業の人からお願いされた指示」という背景があるからで、
転職先では「入ってきたばかりの何も分かっていない人からの指示」だと事務は動いてくれなくなります。

これが分からず、本人としては今まで通り働いた結果、孤立したり上手くいかずに退職する人もいます。

実はアイデンティティって大きいよねという話でした。
そして、このアイデンティティは多くの人が自覚していないからこそ、環境変化時には、アイデンティティが変わったまたは無くなっているので、
第三者から見ると、こう見える可能性があるよねと言う必要性もあります。

それは、この日本全体もそうで、日本は経済大国から大きく後退しています。日本は今から新たなアイデンティティを作らないと「格安で行ける観光地」だけになるかもしれません。