人は、無意識に前提条件を隠して話します。
例えば、「昨日は大変だったんだよ」と言ったら、(私が)という主語を省いて喋っています。
「昨日は、上司に怒られて、散々だったよ。」と言った際には(ちょっとしたミスをしたら)(あんなに怒らなくても良いのに)という思いを省略して喋ります。
このような省略している部分に、認知の歪みがあることが多いです。
例えば、先ほどの上司に怒られた人は(ちょっとしたミスをしたら)の部分が、お客様との打ち合わせに遅刻したとか、お客様とした約束を忘れていたとかかもしれません。
でも、それが積み重なるとお客様からの信頼がなくなり、大きな損失につながることがあります。
なのに、そんな大きな事に繋がるかもしれないのに、(ちょっとしたミス)と過小評価して自分を守ろうとする思考自体が問題なので、上司は怒ったのかもしれません。「それって本当に上司が怒るのはおかしい、些細なミスなのですか?」という質問をすることで、相談者の直面が始まるかもしれません。
そのため、目の前の人が『言っていること』ではなく、『その言葉を使う背景』に気を配ることが大事です。
目の前の人が「上司に怒られ散々だったよ」というからには、「怒られる何かがあった。」が分かりますし、「散々だったよ」という他人事で話しているので、本人の中で反省に繋がっていない自分は悪くないという思いが感じられます。
こんな風に「省略された文脈がある」「その言葉をつかう背景がある」と思いながら聞くと、たくさんの情報を得られます。
